ファナックPMCで移動中の軸座標を読み取る

ファナックのPMC(内蔵シーケンサみたいもの)で、NC制御されている軸の座標を正確に読み取るのは不可能です。
・・・
と、書いたら身もふたもないので、近似値として読み取る方法を書きます。
停止中の軸座標は確実に読み取ることができますが、移動中の座標は完璧に正確な値にはなりません。PMCの処理時間やサーボの制御遅れなどがあるので実際の機械の位置とはズレが生じます。
そんなことはわかっているけれど、ほぼ近い値を読み取りたいということもあります。
そこでこんな方法を使います。・・・というか、これしか無いかもしれません。
1.移動軸の機械座標を(または絶対座標など)をWINDR命令で読出します。WINDRの機能コードは27(または28)を指定します。
これで、NC画面に表示されている座標と同じ数値が読み取れます。
2.移動軸のサーボ遅れ量を読出します。WINDR命令の機能コードは30を指定します。
これで、サーボ系の遅れ量が読み出せます。
3.移動軸の加減速遅れ量を読出します。WINDR命令の機能コードは31を指定します。
これで、加減速時定数によるパルス分配の遅れ量が読み出せます。
4.ここまで読出した結果の1.~3.までの数値を足します。演算された結果が、現スキャンで読出した軸座標(実際の機械位置)に近い値となります。
単純に考えて、10m/minで送っている軸に対して仮に8ms毎に読出したとしても、10×1000(mm)÷60(秒)×(8/1000)(ms)=1.333 となって
計算上だけでも1.333mmの誤差が出ます。
どうしても正確に計測したい場合は、もっとマシな方法を考えるか、軸が停止している状態での座標読取りをしましょう。

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