DRAM PARITY エラーでRAM交換

FANUCのPower Mate Dを使ったシステムで、5月の連休明けに 911 DRAM PARITY のエラーが発生してNCが立ち上がらなくなってしまいました。

取説を読むと、DRAMモジュールを交換してください。 と書かれていますがそんな簡単に交換できるわけもなく、FANUCの取説は不親切(最新版はどうかわかりませんが)な代表のようなものです。DRAMのパリティエラーが出ると、DRAMを一旦クリアする必要がありますがそれも書かずにいきなり交換は無いでしょう。

ちなみに、DRAMのパリティエラーが出たら基本的にはメモリークリア後、バックアップしておいたデータを再ロードします。通常はこれで機械が動くようになります。

また、メモリークリアにも段階(レベル)があるので必要最小限なクリア操作で済めば、被害も少なくて済みます。ここでいう被害とは、マクロ変数で記憶されている数値やオフセットデータなどです。これらは、機械の稼働状況によって時々刻々と変化していきますから、機械が立ち上がらなくなる直前のデータを保持していることがほとんどです。

ですから、DRAMのクリアといっても一気にオールクリアするのではなく、まずは

「X」「O」の同時押し→電源ON

でクリアされる、PMCのクリアをしてみます。これでも立ち上がらないようであれば、あきらめて

「RESET」「DELETE」 の同時押し(DPL使用時は「7」「8」)で

メモリーオールクリアをします。

電源再投入でCNCのシステムが立ち上がってきたら、消去したデータをロード、アラームが発生しているようであればそのアラームの対処を行い機械の稼働確認をします。

PMCのクリアだけで起動できた場合は、NCの座標やマクロ変数、オフセットデータなどは保持されているので、比較的復旧も早く完了できるでしょう。場合によっては、10分程度の保全作業だけでで済むこともあります。

PARITYエラーが出る原因としては、電源関係の異常が主なものとして考えられます。例えば雷によるノイズ、近接した場所での電気溶接などです。また今回のように長期休みの後に発生する場合、メモリ保持用バッテリーのダウンも考えられます。バッテリーは基本的に1年に1回は交換するようにしましょう。

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