技能検定に合格しても、PLCのプログラミングは結局、無法地帯

シーケンス制御は、組み方一つで非常に効率の良いシステムにも、あるいは非常に危険なシステムにもなってしまうのです。リレーシーケンスでは、生産設備の性能や機能が複雑になればなるほど、リレーなどの部品数が相乗的に増加し、それに付随する配線手間の増大化、またそれにともなう制御盤の大型化、回路変更時の作業の困難さなどの点が大きな問題点となりますが、これらすべてを克服したものがPLCと言っても過言ではないと思われます。
ちなみに、技能検定でのシーケンス制御の中心は、プログラマブルコントローラ(シーケンサ)と呼ばれている制御機器ですが、実際のFAの世界ではいろいろな負荷装置を扱いますから、学習用のトレーナーキットなどは、単にプログラミングの学習環境をそろえるだけで、技術者養成のための実習装置としては、不十分と言わざるを得ないでしょう。さらに実技・ペーパーテストでは、だいたい次のような項目に対して知識・能力が問われています。
○PLCのプログラム解読能力、設計(製作)能力、○PLCを使用したシステムの構築や流れ、○ラダー図プログラムから制御対象の動作タイミングチャート作成、○PLCの構成要素の特性や特徴(1級はSFCプログラムあり)などから5問程度が出題されます。例えばエレベーターがある階で停止しますと、「扉を開け」という指令が出されて扉が開き、一定時間が経過しますと扉が閉まります。このように定められた時限で動作する制御方式を時限制御と呼んでいます。
エレベーターが動き始めるためにはためには、まず扉が完全に閉じられた状態になり、行き先を示す押しボタンスイッチが押される必要があります。このように状態を検知して、条件が満足されていますとエレベーターは、動き出します。このような制御方式を条件制御と呼んでいます。自動化システムを制御するシーケンス回路というのは、人の性格がそれぞれ異なっているように、人によってまったく違った考え方で設計されているのです。個人の特徴を活かしたユニークな回路、あるいは分かりやすい回路もあって、すべてが決まりきった回路で設計されているわけではないのです。ということはつまり、「無法地帯」なわけです。どこかでだれかが「ルール」策定しなければ、ならずもののシーケンス野郎が世にはびこる事となるのです。

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