フロッピーディスクを製造現場で使うとよくあるトラブル。実はパート2

さて、機械側へ転送される元のNCデータは、CAD/CAMから吐き出されてテキストファイルとしてすでに保存されています。なぜこれを今頃になってパソコンからRS232C通信で転送するのかというと、やっぱり理由があります。
ある工場では、今までこのNCデータをフロッピーディスクに書き込んで、機械に付属されている(組み込まれている)フロッピードライブで読み込ませ、NC機を運転していたようです。ところが、そのドライブが2DD専用で、パソコンの進化と共にパソコン側は2HDが標準になってきました。2DDとして使えるデバイスドライバをパソコンに組み込めばパソコンで2DDフォーマットも使える事がありますが、フロッピードライブ自体がハード的に2DDに対応していない場合は、やっぱり2DDフォーマットでは使えません。
結局、2HDフォーマットのディスクを使うために、別途、機械に外付けのプログラムローダを購入されたようです。物はFACIT N1060というもので、インターネットにも情報が出てますから、検索して調べてみてください。なかなか多機能な物みたいですね。しかしながらこの全ての機能が必要ではありませんし、製造現場でフロッピーを使うのは、微少な粉塵(金属の粉がほとんど)の影響もあって防塵カバーが必要です。この装置自体はちゃんとしているようですが、たとえばこの装置上や、機械の横にある作業台にちょっとフロッピーを置いたりすると、結局フロッピーディスクに汚れ・粉塵が付着して、それがドライブ装置の内部に入り込み、フロッピードライブの読み取りヘッドに傷が付いて故障することになります。
ドライブの読み取りヘッドに傷が付くと、接触式読み取り方式であるフロッピーディスクでは、読み取りヘッドの相手側である磁気ディスクにも傷が付き、二度とそのフロッピーディスクは使えなくなるという最悪の状態に陥ります。フロッピーディスクの状態は、シャッター部をスライドして開けて、回転の中心部付近のディスク部分を見るとわかります。筋状の傷があったら危ない状態です。
この辺は取り扱いの問題がほとんどですが、うかがってみるとやっぱりというか、すでに故障履歴がありフロッピードライブの修理をされたようです。ところがその後もトラブルが発生してお困りのようでしたので、物理的な物の移動や動作を伴わない「PCからの直接通信」によるデータ転送をお勧めしたというわけです。
ちなみに10年以上前に、ディスクに塗布された磁気がすり減って読み書き不能になった物を見たことがあります。毎日ではないけれど、3年くらい使っていたということでした。そんなこともあるんですね。

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